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JSPSシンポジウム顛末記

2月15日(土)

木曜1講目は「食の安全学概論」最終回なのですが、これをご担当いただく耕野先生に任せてしまって、私は出張。2泊3日で、ソウルで開催されるJSPSのシンポジウムに参加しました。

畜産における低炭素化の取り組み、というのがテーマで、私は日本の取り組みを紹介すれば良いと韓国畜産経営学会会長で建国大学教授のヨン先生に教えてもらっていたのですが、そうではなく、議論のはじめに、全般的な考え方、取り組みの方向を示すことが求められて焦った、というのは、以前紹介したとおり。直前までいろいろ手を加えていました。

そんなことはありつつ、前日13日夕方ソウル入り。迎えてくださるはずのヨン先生は仁川国際空港第2ターミナルに現れず。

自分で移動しようか、どうしようか、考え始めた頃、ようやく登場。第1ターミナルと間違えたそうです。

そのあとヨン先生が運転する車でソウル市内まで。結構な渋滞。しかもお話ししながら行くとヨン先生の思考が会話と運転で分散されるためか、高速道路でも速度が安定しない。そのうち出口を間違えたり。なるべく話しかけないほうがよいと思うようになりました。

8時くらいにホテル到着で、晩ご飯。JSPSの方々も一緒に。シメはヨン先生に教えてもらった、最近のソウルのはやりの「チメ」という、チキンアンドビール。

シンポジウムは午後からで午前は時間に余裕があったので、朝から基礎経営学の採点。実は千歳仁川の飛行機の中でもずっと採点でした。10時半頃ホテルロビー集合で建国大学に。
lecture room
会場に入ってみたら、スタッフは何やら設営に難儀している。ヨン先生に聞くと、注文した横断幕が長すぎて、ステージに吊す棹では足りないんだそうです。何でも(ヨン先生が)目測で長さを発注したのが原因らしい。結局棹は使わず壁にべた貼りで対応。おかげで下のスクリーンが半分見えず。

階段講義室なんですけど、後の人のために高いところに大きなスクリーンがあるのですが、これは手前の人には上を見上げることになって辛い。それなら小さいのをしたに。なるほど。残念ながら畜大にはこういうスクリーンはありません。東北大学にはあるそうです。

シンポジウムの前に建国大学農学部の学部長とちょっと懇談。

学部長は農業経済学が専門のMIN先生。イリノイ大学で学位を取得された女性。農業経済の先生は建国大学農学部の中でも少数派のようです。それでも学部長を任せられているんですから、皆さんから信頼されている方なんでしょう。

事前のヨン先生からの情報では、「建国大学は学生交流を活発化させたいと思っている」と言うことでしたが、ちょっとそういう感じでもなかったね。

農学部、畜産学部から始まったという建国大学。そのあと総合大学に。建学当時は周りは農地、牧草地だけだったそうです。それがソウルの発展の影響であたりは高層ビル、高速道路、地下鉄、億ション、焼き肉屋さんに、コムタン屋さん。しかも今もその土地のかなりの部分は建国大学のものらしく、地代収入が半端ないらしい。
flower
シンポジウムは韓国の学会関係の方の挨拶、大使館の方の挨拶、JSPSの挨拶などがあり、コーヒーブレイクを挟んで私の講演。

「時間がないから端折って」と思ったスライドに、席が左隣のMIN先生が折り目をつけたのが見えていたので、そこもやらないと。

ヨン先生からは日本語で良いと言われたのですけど、それもちょっとと思い、日本語とインチキな英語で。結果時間が足りませんでした。

MIN先生が印をつけたのは、ゲーム理論を使って低炭素化の取り組みの重要性を説明したところでした。この部分については、出席されていたノルウェー出身の物理の先生からも、「おもしろかった」と言っていただきました。端折らずにやってよかったということで。

J-CREDITについては、
MIN先生「これは実際に農場でどれくらいCO2を削減できたかを測るわけではないのでしょ?」
私「そうなんです。これは方法論を認証するだけであり、信頼関係の上に成り立っている制度なんです。」
みたいな話もしておりました。

あと、東北大学の廬先生からは、CO2削減における茅恒等式とその畜産への応用がおもしろかったと言っていただきました。シンプルでありながら深い意味がある。これから使っていきたいですね。

廬先生は、畜大の左先生の元で学んだ方です。昔のこともよくご存じでした。

現在のご専門は西田先生や福間先生のご研究に近いようで、お二人のこともご存じのようでした。小柄な方ですが、芯の強い、しかし思いやりのある思慮深い方という印象を持ちました。

席は私の右隣で、韓国語でお話しなさっている講演者の内容を時々通訳してくれて助かりました。

私と廬先生の講演のあとは、韓国の方々が壇上に登って討論会。その中のお一人は、韓国農村研究所の畜産研究室の室長、リヨンゴンさん。若手のホープ(ヨン先生談)。北大農業経済の開発研究室で森岡先生と同期。

「開発だから」というわけではありませんが、どうも風貌が伊藤房雄先生を思い出させる。
Lee
シンポジウム後の懇親会は歩いて10分くらいの「マダン豚足」

たまたま席のお向かいは大使館の方でしたが、文科省から出向されていて7月頃帰国されるそうです。そのあとお目にかかることがあったらよろしくお願いします、みたいな。

野菜の上に豚足とキムチをのせて食べながらいろんなはなしを。昔の人はコリアと言えばNorth Korea + South Koreaだったけど、若い人はSouth KoreaをKoreaと思うようになった、とか。

途中で、「いつ帰るんですか、」「明日の10時の飛行機です。」「それならホテルを6時には出ないと」みたいに脅され、1次会で失礼しました。

翌朝、バスの乗り方を教えてくれると言っていたKIM先生は、待ち合わせの5時半になっても現れず。

はじめお会いしたときに、
「キムタクでーす」
と軽いのりだった、KIM Tack Joong先生、のりも風貌も福島先生そっくり。ヨン先生は、「それなら私は『ヨン様』ですよ」と言っていましたが。

薄暗いホテルのロビーに一人で、これは一人で空港に行く作戦を考えないとと思ってフロントの若者にバス乗り場を問い合わせると英語が通じず。しかし何やら自分の携帯を操作して、「携帯にむかってしゃべろ」みたいな動作だったので「クウコウユキノばすテイヲオシエテクダサイ」と日本語で話しかけたら、うしろのエレベーターが開いてヨン先生登場。

帰りのタクシーをすでに手配してくださっていると言うことでした。かたじけない。

ヨン先生の車があるはず、と思ったのですけど、先生、この状態で乗ったら酒気帯びだろうな、という雰囲気でした。

ぶじ仁川に着きましたが、朝6時半なのにすごい混んでる。アドバイス通り3時間前で正解。

今回一度も現金を使いませんでした。すべてカード払い。最後のバスは現金のみと言われていて、早朝両替は無理だろうと思っていましたが、キムタク先生からは、「あげます」と言われてました。結局使わなかったのですけど。

皆様、いろいろお世話になりました。
MC
「マダン豚足」に行く途中で見たバイク。ボクサーツインでリジッドフレームはBMW R27かなと思いましたが、コピーだろな。それでも珍しい。サイドカー付。

(仙北谷)

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