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私有財産、法体系、公共サービス
3月18日(火)
「包括的(inclusive)な経済制度は、大多数の人々が経済活動に参加できるし、またそう促す制度である。こうした経済活動を通じて人々は才能や技術を最大限に活用し、個人は自ら望む選択をする。経済制度が包括的であるためには、安全な私有財産、公平な法体系、公共サービスの提供を特徴としなければならない。」(アセモグル、ロビンソン「国家はなぜ衰退するのか」)
印象的な部分とおもいます。
安全な私有財産は、経済活動の効率化に関連するでしょう。お金を貸したけど返してもらえないとか、資本を蓄積したけど没収されるのであれば、蓄積しようとは思わないですよね。経済活動頑張ろうと思わない。
公平な法体系は、人権の尊重につながると思います。これは言わずもがな。これが保証されて初めて人は能力をフルに発揮できるのだと思います。
公共サービスは市場の失敗への対応でしょう。市場に任せておけば万事うまくいく、というのは幻想。そんなことは無い。それをカバーする仕組みが必用と言うことでしょう。
その上でさらに、「十分に中央集権化された多元的な政治制度」が必要といいます。考えさせられる本です。
(仙北谷)